お知らせ
原爆慰霊祭が行われました
原爆慰霊祭が行われました。
ミサから始まり、墓前祭では、中学・高校・ご遺族・同窓会・教職員の代表が献花を行いました。中学生徒会長の「慰霊のことば」では、平和を心から願う想いが強く感じられました。また、全員で「燔祭のうた」を歌い、中学コーラス部が「平和は長崎から」を合唱しました。
原爆が投下されてから71年の年月が経ちました。純心女子学園はこれからも世界平和を祈り続けていきます。
以下の写真は原爆慰霊祭の様子です。
「慰霊のことば」を掲載します。
真夏の太陽が降り注ぐ中、セミたちのせわしい鳴き声が、自身の生命力を周囲に満ちあふれさせているように聞こえます。長崎に生まれ育った私達にとって、この季節は戦争で亡くなられたすべての方々への慰霊と、平和を願う特別な季節です。
1945年8月9日午前11時2分、浦上の上空から一発の原子爆弾が投下され、大量の放射線が辺りに走り、すさまじい閃光と爆風が吹き荒れ、長崎の町を破壊し焼き尽くしました。これによって24万人といわれる当時の長崎市民のうち、7万4千人もの命が一瞬にして奪われ、美しい長崎の町は焼け野原となったのです。
ここ、純心学園でも純女学徒隊と呼ばれた214人の先輩方が犠牲となられました。今の私たちと同じくらいの歳で、工場に動員され、毎日一生懸命に奉仕されていた何の罪もない女子学生たちが、一発の原子爆弾でその尊い未来を無残にも絶たれたのです。どれほどの無念だったことでしょうか。
自らも被爆し、辛い中でも、さらに重傷の方々のお世話を率先して行った先輩方もおられたと聞きます。目の前の人々が次々と亡くなっていく惨状を前に、それでも、誰も恨まず、悔やまず、感謝と祈りの中で精一杯に生きる姿。先輩方の清いお姿に、心から尊敬の念を抱かずにはいられません。
あれから71年。純心学園は昨年、創立80周年を迎えました。校舎も新しくなり、私たちは素晴らしい環境で毎日充実した学園生活を送っています。かつて、この場所が恐ろしい戦火にさらされた過去を持っているとは、想像できないほどです。
だからこそ、私は71年前のあの日、想像を絶する苦難を経験した純女学徒隊の先輩方の歩みを忘れず、この恵まれた環境に感謝したいと思います。
世界では、多発しているテロによって罪のない人々が無差別に傷つけられ、命を奪われている現状があります。平和が脅かされ、世界が様々な脅威と不安で満ちていく中、今年の5月にはアメリカのオバマ大統領が現職のアメリカ大統領として初めて、被爆地広島を訪問しました。原爆慰霊碑に献花した後、核兵器廃絶を訴え、平和の尊さとこれを実現すること重要性を世界に向けて発信しました。
このことは、世界が平和へ向けて大きく一歩前進した出来事だといえるでしょう。
これから先、世界の全てが平和に満ち、穏やかな日々が全ての人の上に当たりまえのように訪れることを願って止みません。
年々、間違いなく戦争の記憶を持つ方は少なくなっていき、その生の声を聞くことができなくなる日がやってきます。だからこそ、私たちは、核兵器の恐ろしさを忘れず、未来に語り継いでいかなくてはならないと思います。
原爆慰霊の今日、この地で命を奪われた純女学徒隊の先輩方をはじめ、戦争の犠牲になられたすべての方の御霊に寄り添い、二度とこのような過ちを繰り返さないことを誓い、慰霊の言葉と致します。
平成28年8月9日